美は、生き様。
― 私がそう言い続ける理由 ―
美は、技術だけでは完成しない。
私はそう考えています。
25年間、美容師として生きてきました。
人生の半分以上を、この仕事に費やしてきた。
始まりは単純でした。
カリスマ美容師ブームの時代に
「自分もこうなりたい」
と思った。
ファッションが好きで、おしゃれでいたかった。
それだけです。
でも、やり始めたら止まらなかった。
技術を磨くうちに、どんどん深みにハマっていった。
自分のサロンをオープンして11年目になりますが、 オーナーになってからも毎日深夜2時まで練習して、朝7時に来て朝練習。
傍から見ればやりすぎかもしれない。
でも私にとっては、それが当たり前でした。
一番可愛いスタイルを作りたい。
髪をダメージさせないためには何ができるか。
お客様が家でも扱いやすくなるためには何が必要か。
その問いを繰り返すうちに、
「技術だけでは限界がある」
という現実にぶつかった。
どれだけ腕を磨いても、 素材である髪そのものが傷んでいれば、本当の美しさは作れない。
それがヘアケア商材の開発へと繋がっていきました。
転機は、22歳の時でした。
難病を発症しました。
4ヶ月の入院。その後さらに2ヶ月、仕事を休みました。
治療でステロイドを使い、絶食が続く日々。
美容師として、ようやくこれからというタイミングで、 仕事も、食事も、当たり前の日常も、全部止まった。
あの時間は、正直きつかった。
肌はボロボロ、髪はバサバサ。 絶食が続き、身長180cmの体が、体重48kgまで落ちた。 精神的にも、完全にどん底でした。
美容師として人の美しさと向き合う仕事をしているのに、 自分自身が一番ボロボロだった。
でも、あの経験がなければ今の自分はいない。
退院してから、全てを見直しました。 食事、タバコをやめること、お酒を控えること。 身体の中から、丁寧に整えていくこと。
ありがたいことに、年を重ねていくほど、周りから「若いね」と言われるようになった。
そこで初めて気づいたんです。 健康と美容は、切り離せない。
美しさは、外側だけでは作れない。 内側から整えることで、初めて本物の美しさが宿る。
そしてもう一つ、時代が私に教えてくれたことがあります。
SNSが当たり前になり、加工も当たり前になった。
フィルター一つで、誰でも美しく見える時代。
でも私は、その流れに違和感を覚えるようになっていた。
加工では作れないものがある。
それは、髪の毛一本一本の質感。素材そのものの美しさ。
画面の中では誤魔化せても、現実では誤魔化せない部分。
だからこそ、私はリアルな美しさにこだわり続けています。
自分で100%納得できるものを、嘘偽りなく届けたい。
その思いが、コスメブランドの立ち上げに繋がりました。
立ち上げから商品が完成し、販売できるまで5年かかりました。
OEMではなく、0から作る。 妥協しないとは、そういうことだと思っています。
自分のサロンで使うものも、自宅で使ってもらうものも、一切妥協しない。
良いものを作るには、覚悟と時間とコストが必要です。
価格競争ではなく、思想で選ばれるブランドを作りたい。
「あの人が作ったものを使いたい」
そう思っていただける存在に、なりたいと思っています。
美は、若さだけではない。
美は、流行でもない。
美は、表面だけでもない。
美は、生き様。
22歳で倒れて、全てを失いかけた時間が、 今の私の美容哲学を作ってくれました。
これからも私は、その軸をぶらさずに、美と向き合い続けます。