なぜ私はヘアコスメを0から作ったのか

なぜ市販品では駄目だったのか

美容師として25年間、数えきれないほどの商品を使ってきました。市販品はもちろん、サロン専売品、様々なブランドのもの。でも正直に言うと、完璧に納得できる商品に出会ったことがなかった。

これは贅沢な話ではありません。

髪を綺麗に保つために大切なのは、美容室での適切な施術と、毎日のホームケアだと思っています。月に一度の美容室での施術は、とにかく髪に負担のないよう施術する。そして毎日のホームケアは、それを維持、補修していくためのものだと私は思っています。どれだけ美容室で良い施術をしても、自宅でのケアが間違っていれば意味がない。だからこそ、毎日使うものに妥協したくなかった。

もう一つ、ずっと気になっていたことがありました。市販品に配合されている有効成分の多くは、「入っている」というだけで、実際に効果が出る濃度には達していないものがほとんどです。原料メーカーが推奨する濃度できちんと配合しなければ、成分が入っていても意味がない。そこにこだわれる商品を、自分で作るしかないと思いました。

試作と検証の繰り返し

開発を始めてから最初にやったことは、ひたすら試作と検証の繰り返しでした。スタッフはもちろん、お客様にも何度も検証のお手伝いをいただきました。使ってもらって、感触を聞いて、また作り直す。その繰り返しです。「良くなった」と思っても、また別の課題が出てくる。納得できるまで何度でもやり直しました。

0から作るということの本当の意味

OEMであれば、工場が持つ既存の処方にブランド名を乗せるだけでいい。でも私が選んだのはそうではありませんでした。原料の選定から配合、製造工程まで全て自分で設計した完全オリジナル処方。工場はあくまで製造の実行者です。だからこそ、時間もコストも膨大にかかった。でもそれ以外の方法では、自分が納得できるものは作れませんでした。全て0からの作成なので、一つの商品が完成するまでの時間とコストは膨大でした。

その中で特に大変だったのが、工場の問題です。同じ原料を複数の工場に送り、同じ製造工程を指示して作ってもらう。なのに出来上がった商品が全然違う。これが何度も起きました。工場によって設備も技術も微妙に違う。だから今のMiiは、商品ごとに最も良い仕上がりだった工場で製造しています。シャンプーとトリートメントを2種類ずつ作っていますが、それぞれ工場が違うのはそういう理由からです。手間もコストも、OEMの比ではありません。でもそれが、Miiというブランドの正直な姿です。

5年かけて作った理由

立ち上げから販売までに5年かかりました。長いと思う人もいるかもしれません。でも私にとっては、納得できるまでやり続けた結果がその年数でした。自分のサロンで使うものも、お客様が自宅で毎日使うものも、一切妥協したくなかった。良いものを作るには、覚悟と時間とコストが必要です。それは美容師として25年間、髪と向き合ってきた私が一番よくわかっていることでした。

Yuji Yamane

Yuji Yamane

LOANA HAIR SALON、THE ESCALA 代表 。 毛髪診断士の資格を持ち、数々の商品プロデュース、開発を手掛け現在自身のコスメブランドMiiコスメを立ち上げる。 顔まわりの似合わせカットに定評があり、多くの芸能人、有名人の顧客を持つ。 必ず可愛くしてくれるとSNSや口コミでも有名な美容師です。

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